トレファクションリアクター HD22/TR

エネルギー利用

トレファクションの需要

環境問題の観点から世界的に脱石炭の動向が強まっています。その中で日本は石炭火力発電所が全体およそ3割を占めています。
石炭火力発電所では、バイオマスと石炭を混焼させることにより石炭消費量を削減する試みがなされていますが、装置の特性上、無処理のバイオマスの混焼率は3%程度が限界です。
ところが、トレファクションしたバイオマスは混焼率を30%程度まで引き上げることが可能とされています。

トレファクションのメリット

炭化による収率はおよそ20~25%に対し、トレファクションの収率はおよそ80~85%ですので、原料が炭化のおよそ1/4で済みます。
エネルギー密度が高くなるため、輸送効率、貯蔵効率が向上します。
疎水性、非発酵性の性質が付加されるため、耐水性、自然発火防止、高いハンドリング性等のメリットが出ます。
破砕性能が大きくなるため、既存の石炭火力発電所での混焼率を通常のバイオマスの10倍程度まで増加させることができます。

トレファクション・リアクターの特徴

トレファクション処理は炭化処理と大きく異なり、温度制御が非常に困難です。
このため、過度に炭化させてしまったり、逆に処理が不十分になりがちです。
トレファクションリアクターは、非常に精度の高い制御方式により、狙い通りのトレファクション処理を実現します。

トレファクション・リアクターの詳しい説明

マテリアル利用

トレファクション・リアクターの特徴

バイオマスは、200℃~300℃の温度域で大きく物性が変化する特徴があります。
トレファクション・リアクターは200℃~300℃の任意の温度帯で制御できます。
このため、使用目的に合わせて最適な温度帯でトレファクションすることができます。

トレファクションの活用先

ウッドチップ舗装

トレファクションしたバイオマスは、耐腐朽性、耐蟻性があり、疎水性となるため、屋外環境での耐久性が向上します。
この性質を利用することにより、高耐久なウッドチップ舗装が可能となります。

パーティクルボード

トレファクションした木チップは、寸法安定性が非常に高く、疎水性となるため、パーティクルボードの素材とした場合に高い寸法安定性、耐湿性等が付加されます。
更に、耐腐朽性、耐蟻性があるため、バインダー次第では、屋外で利用できる可能性があります。

ガーデニングウッドチップ

ガーデニング用のウッドチップとして庭やプランターなどに敷いた場合、耐腐朽性、耐蟻性、疎水性があるため、虫の住処になりにくい特徴があります。
更に、トレファクションチップはダークブラウンとなり、見た目も最適です。